はじめに
歩いたときや立ち上がったときに、股関節から「ポキポキ」と音がする経験をしたことはありませんか?
痛みがなければ「大丈夫かな?」と軽く考えてしまいがちですが、音が繰り返し鳴る場合は股関節や周囲の筋肉、骨盤の状態に原因があることも少なくありません。
股関節は体重を支え、日常生活で最も負担のかかる関節の一つです。だからこそ、鳴る音を軽視してしまうと、腰痛や膝痛など他の部位の不調につながることがあります。
今回は、股関節が鳴る原因や考えられるリスク、日常でできるセルフケア、整骨院での対処法まで詳しく解説します。
股関節がポキポキ鳴る仕組み
関節内の気泡が弾ける音
股関節の音の多くは、関節液に含まれる気泡が弾けることで発生します。これは指を鳴らすときの「ポキッ」と同じ原理です。
この場合、痛みは伴わないことが多く、病気のサインではないことがほとんどです。しかし、繰り返し鳴る場合や違和感を伴う場合は注意が必要です。
筋肉や腱が骨に引っかかる音
お尻や太ももなどの筋肉が硬くなると、腱が骨の上を滑る際に音が発生することがあります。この場合も、痛みがなければ問題は軽度ですが、硬さを放置すると股関節の動きが悪くなり、負担が蓄積されてしまいます。
骨盤や姿勢の歪みによる摩擦
長時間の座り姿勢や片足重心の習慣は、骨盤や股関節の歪みを引き起こします。歪みにより関節の可動域が偏ると、動作のたびに音が鳴ることがあります。
放置しても大丈夫?

痛みがない場合
痛みがなく、音だけが鳴る場合は、すぐに健康に重大な影響が出ることは少ないです。ただし、日常生活の中で体に負担がかかっているサインでもあるため、軽視は禁物です。
痛みや違和感がある場合
音と同時に痛みや違和感がある場合は、関節や筋肉に炎症や負担がかかっている可能性があります。
- 歩くたびに股関節が鳴る
- 股関節の動きがスムーズでない
- 腰や膝に痛みがある
こうした症状がある場合は、早めのケアが重要です。
長期間放置した場合のリスク
放置すると、股関節の可動域が制限され、歩行や運動のパフォーマンス低下につながります。
また、腰痛や膝痛など、股関節の歪みが影響する他の関節への負担も増え、将来的には変形性股関節症などのリスクも考えられます。
股関節が鳴る主な原因
1. 筋肉の硬さ・柔軟性不足
長時間のデスクワークや運動不足は、太もも前部やお尻周りの筋肉を硬くします。筋肉が硬くなると股関節の動きがスムーズでなくなり、腱や関節の摩擦で音が鳴りやすくなります。
2. 骨盤や姿勢の歪み
片足に重心をかける癖や足を組む姿勢は骨盤の歪みを招き、股関節に不均等な負担をかけます。結果として、股関節の動きが偏り、音が鳴る原因になります。
3. スポーツや動作のクセ
ランニングやサッカー、ダンスなど、股関節を繰り返し使うスポーツでは、筋肉や腱の摩擦によって音が鳴ることがあります。
特に体の柔軟性が低い場合や、フォームに偏りがある場合は音が出やすくなります。
4. 関節疾患の可能性
稀にですが、「変形性股関節症」や「股関節インピンジメント症候群」などの関節疾患が音の原因になっている場合もあります。
音に加えて痛みや動かしにくさを伴う場合は、専門医や整骨院で早めに相談することが大切です。
股関節の音を改善・予防する方法
セルフケアでできること
- ストレッチ
太もも前部、お尻、股関節まわりをゆっくり伸ばすことで、腱や筋肉の摩擦を減らせます。 - 姿勢改善
長時間同じ姿勢を避ける、足を組まない、片足重心をやめるなど、日常の姿勢を意識することが重要です。 - 運動習慣を取り入れる
ウォーキングや軽い筋トレ、股関節まわりの柔軟運動で筋肉の柔軟性とバランスを保ちましょう。

整骨院でできること
- 骨盤や股関節の歪みを整える施術
- 筋肉の硬さを和らげる手技療法
- 股関節に負担をかけない動作指導やセルフケアのアドバイス
整骨院で施術を受けることで、音の原因となる歪みや硬さを改善し、再発予防にもつながります。
まとめ
股関節の「ポキポキ音」は、痛みがない場合は軽度の現象であることが多いです。しかし、音が繰り返し鳴る、痛みや違和感を伴う場合は、体の歪みや筋肉の硬さ、関節への負担が隠れているサインです。
日常生活でのセルフケアに加え、整骨院で体のバランスを整えることで、腰痛や膝痛などの将来的な不調の予防にもつながります。
股関節の音を軽視せず、早めにケアして快適な歩行を取り戻しましょう。