なかなか治らない腰痛、その原因は本当に「腰」?
「長時間座っていると腰が痛くなる」
「朝起きると腰が重い」
「マッサージをしてもすぐ戻ってしまう」
そんな慢性的な腰の不調に悩んでいる方、多いですよね。
多くの人は「腰が痛い=腰に原因がある」と思いがちですが、実際のところ、腰痛の約8割は“お尻の筋肉のコリ”が関係していると言われています。
「え? 腰が痛いのにお尻が原因?」と思う方も多いですが、
この“お尻のコリ”が腰痛を引き起こすメカニズムを知ると、納得できるはずです。
今回は、「お尻のコリと腰痛の関係」を詳しく解説していきます。
お尻の筋肉の役割
まず知っておきたいのが、“お尻の筋肉”は体の中でもとても大きな筋肉群であること。
代表的なのは次の3つです。
- 大臀筋(だいでんきん):骨盤の後ろ側を覆い、体を支えるメインの筋肉。
- 中臀筋(ちゅうでんきん):骨盤の横側にあり、立つ・歩くときに骨盤のバランスを保つ。
- 梨状筋(りじょうきん):骨盤の中を通り、坐骨神経のすぐ近くを走る深層筋。

これらは、腰・骨盤・太ももをつなぐ“要(かなめ)”の存在。
つまり、お尻がこる=骨盤の動きが悪くなり、腰が引っ張られる、という構図ができあがるのです。
なぜお尻がこるのか?
お尻の筋肉が硬くなる最大の原因は、**「座りっぱなし」や「同じ姿勢の繰り返し」**です。
デスクワークや車の運転などで長時間座ると、お尻の筋肉が圧迫され続けます。
血流が悪くなり、筋肉の中に疲労物質がたまり、やがて硬くなってしまう。
さらに、
- 脚を組む
- 片側重心で立つ
- 運動不足
といった日常のクセが、ゆがみを加速させます。
このような習慣が積み重なると、骨盤が前後・左右に傾き、腰の筋肉や関節に負担が集中。
結果、腰に痛みや重だるさが出てしまうのです。
腰痛を引き起こす「お尻のコリ」のメカニズム
では具体的に、どうしてお尻がこると腰痛になるのでしょうか?
3つのメカニズムを見てみましょう。
① 骨盤の動きが悪くなる
お尻の筋肉が硬くなると、骨盤の動きが制限されます。
骨盤は本来、歩行や姿勢維持のたびにわずかに動いて体を支えています。
ところが、筋肉が固まるとその動きが止まり、
腰の関節や背骨が代わりに動いてカバーするようになります。
結果、腰部に過剰なストレスがかかり、慢性的な痛みにつながるのです。
② 坐骨神経を圧迫する
特に注意したいのが“梨状筋”という筋肉。
この筋肉は、坐骨神経のすぐ近く(人によっては貫通している)に位置しています。
梨状筋が硬くなると、坐骨神経を圧迫し、
- 腰からお尻
- 太ももの裏
- ふくらはぎ
にかけての痛み・しびれを引き起こすことがあります。
これがいわゆる「坐骨神経痛タイプの腰痛」。
腰の筋肉をほぐしても良くならない方は、このタイプの可能性が高いです。
③ 血流・代謝の低下
お尻の筋肉が凝ると、骨盤まわりの血流が悪くなります。
血流が滞ると、筋肉の修復が追いつかず、疲労物質も排出されません。
結果、
- 腰が冷える
- 朝起きた時に痛みが強い
- 生理前に腰が重くなる
といった不調が出やすくなります。
この「冷え+コリ+代謝低下」の悪循環が、腰痛を慢性化させる大きな要因です。
あなたのお尻は硬くなっていませんか?セルフチェック
簡単にできるセルフチェックを試してみましょう。
- 椅子に座って、片方の足を反対の太ももに乗せる
- 背すじを伸ばして、体を前に倒してみる
- お尻の奥(太ももとの境目あたり)に強い張りや痛みを感じたら…
👉 それは“お尻のコリサイン”です!
また、以下のような人も要注意です。
- 長時間デスクワークをしている
- 運動不足
- 立ち上がる時に腰が重い
- 階段を上るのがつらい
こうした生活習慣の方は、お尻の筋肉が硬くなっている可能性が高いです。
かみやま鍼灸整骨院でのアプローチ
かみやま鍼灸整骨院では、腰痛の根本原因を見極めながら、
お尻の筋肉・骨盤・腰椎のバランスを整えていきます。
当院で行う主なアプローチは以下の通りです。
- 筋肉の深層(インナーマッスル)への手技調整
表面だけでなく、梨状筋や中臀筋など深い層の硬さを丁寧にゆるめます。 - 骨盤の歪み矯正
硬くなった筋肉による骨盤の傾きを修正し、動きを取り戻します。 - 自律神経・血流改善の鍼灸
慢性化したコリや冷えには、鍼で血流を促し、回復をサポートします。 - 姿勢・呼吸・歩行の指導
再発を防ぐため、日常生活での動作や姿勢をチェックし、改善ポイントをお伝えします。
腰だけでなく“お尻を含めた全体のバランス”を整えることで、
自然に腰痛が軽くなっていくケースが非常に多いです。
自宅でできる簡単ストレッチ
セルフケアとしておすすめなのが「お尻ストレッチ」。
椅子に座ったままでもできる簡単な方法を紹介します。

- 椅子に浅く座る
- 右足を左太ももの上に乗せる(4の字を作るように)
- 背すじを伸ばして、上体をゆっくり前へ倒す
- お尻の奥に伸びを感じたら20〜30秒キープ
- 2〜3回繰り返す
- 左右を反対にして伸ばす
ポイントは「呼吸を止めずにゆっくり伸ばす」こと。
無理に押したり、痛みを我慢するのはNGです。
このストレッチを1日1〜2回、仕事の合間に取り入れるだけでも、
お尻の筋肉の柔軟性がアップし、腰への負担がかなり軽減されます。
まとめ:腰痛を治すカギは「お尻」にあり!
- 腰痛の8割は「お尻のコリ」が関係している
- 座りすぎ・姿勢のクセでお尻の筋肉が硬くなる
- 骨盤の動きが悪くなり、腰に負担が集中
- お尻の筋肉をゆるめることで、腰痛改善・予防ができる
「腰が痛いから腰をもむ」だけでは、根本的な改善にはつながりません。
腰痛の多くは、“原因が別の場所(お尻や骨盤)にある”ケースがほとんどです。
お尻の筋肉をゆるめ、正しい骨盤の動きを取り戻すことで、
長年悩んでいた腰痛が驚くほど軽くなることもあります。
もしあなたが「どこに行っても腰痛が良くならない」と感じているなら、
一度“お尻”に注目してみてください。
かみやま鍼灸整骨院では、あなたの体のバランスを丁寧にチェックし、
その人に合った施術で根本から整えていきます。