「産後からなんとなく膝が痛い」
「立ち上がるときや階段で違和感がある」
「でもそのうち治るかな…」

出産後、このような膝の痛みを感じているママさんは少なくありません。
しかし、育児に追われる中で自分の体のことは後回しになり、「我慢していればそのうち良くなる」と放置してしまうケースも多いのが現状です。

結論から言うと、産後の膝の痛みは放っておかない方が良いことが多いです。
なぜなら、産後特有の体の変化が関係しており、自然に治ると思っていると慢性化・悪化してしまう可能性があるからです。

今回は

  • なぜ産後に膝が痛くなるのか
  • 放置するとどうなるのか
  • 早めに知っておきたい対処の考え方

について、整骨院の視点からわかりやすく解説します。


産後に膝の痛みが出やすい理由

産後の膝の痛みは、単なる「使いすぎ」や「体重増加」だけが原因ではありません。
実は、出産前後の体の変化が大きく関係しています。

① 骨盤のゆがみ・不安定さ

妊娠・出産により、女性の骨盤は大きく開きます。
出産後すぐに元に戻るわけではなく、数か月かけて少しずつ安定していきます。

しかしこの時期、

  • 骨盤が前後・左右に傾く
  • 体の重心がズレる

といった状態が起こりやすくなります。

骨盤は体の土台です。
この土台が不安定になると、股関節 → 膝 → 足首へと負担が連鎖し、膝に余計なストレスがかかります。


② 抱っこ・授乳・しゃがむ動作の繰り返し

産後は、

  • 赤ちゃんの抱っこ
  • 床からの立ち上がり
  • おむつ替えでの前かがみ
  • 中腰や片足重心

といった動作が急激に増えます。

特に多いのが、
「片足に体重をかけたまま抱っこする」
「膝を内側に入れたまましゃがむ」
といった無意識のクセです。

この積み重ねが、膝の関節や周囲の筋肉に負担をかけ、痛みとして現れます。


③ 筋力低下と体のアンバランス

妊娠中〜産後にかけて、

  • 太もも
  • お尻
  • 体幹

といった筋肉はどうしても弱くなりやすいです。

本来、膝は周囲の筋肉によって守られています。
しかし筋力が低下すると、膝関節そのものに負担が集中しやすくなり、痛みが出やすくなります。


「そのうち治る」は危険?放置するとどうなる?

「産後だから仕方ない」
「時間が経てば良くなるはず」

そう思って膝の痛みを放置してしまうと、次のような状態に進むことがあります。

● 慢性的な膝痛になる

最初は違和感程度だった痛みが、

  • 立ち上がるたびに痛い
  • 階段がつらい
  • 正座ができない

といった慢性痛に変わっていくケースがあります。


● 動きをかばって別の場所も痛くなる

膝が痛いと、人は無意識にかばう動きをします。
すると、

  • 反対側の膝
  • 股関節
  • 足首

など、別の場所に痛みが広がることも珍しくありません。


● 次の妊娠・育児でさらに悪化する

産後の膝の痛みが改善しないまま次の妊娠・育児に入ると、
体への負担はさらに大きくなります。

「2人目を抱っこする頃には、膝が限界だった…」
という声も実際によく聞かれます。


産後の膝の痛みでよくある勘違い

「体重が戻れば治る」

確かに体重増加も負担の一因ですが、
骨盤や体の使い方が変わらない限り、痛みは残ることが多いです。


「膝が悪いから膝だけケアすればいい」

湿布やサポーターで一時的に楽になることはあります。
しかし、原因が骨盤や股関節にある場合、膝だけの対処では根本改善にはつながりません


悪化する前に知っておきたい大切なポイント

産後の膝の痛みで大切なのは、
**「どこに本当の原因があるかを見ること」**です。

整骨院では、

  • 骨盤の状態
  • 股関節や足の動き
  • 体重のかかり方
  • 育児中の姿勢や動作

などを総合的にチェックします。

「膝が痛い=膝が悪い」と決めつけず、
体全体のバランスから考えることが、回復への近道です。


こんな症状があれば早めのケアを

次のような場合は、早めに体を見てもらうことをおすすめします。

  • 産後数か月経っても膝の痛みが続いている
  • 朝や立ち上がりで特に痛む
  • 階段やしゃがむ動作がつらい
  • 抱っこが不安になるほど膝が痛い

「これくらい大丈夫」と思わず、
育児をラクに続けるための体づくりとして考えてみてください。


まとめ|産後の膝の痛みは我慢しなくていい

産後の膝の痛みは、

  • 骨盤の変化
  • 体の使い方
  • 筋力低下

といった産後特有の要因が重なって起こることが多い症状です。

放っておくと慢性化したり、別の痛みにつながる可能性もあります。
逆に、早めに体のバランスを整えてあげることで、
「もっと早く来ればよかった」と言われることも少なくありません。

毎日頑張っているママさんだからこそ、
自分の体のサインを無視しないことが大切です。

膝の痛みを我慢しながらの育児ではなく、
少しでもラクに、笑顔で過ごせる体を目指しましょう。