「朝起きたら首が動かない」「振り向くだけで激痛!」
そんな“寝違え”の経験、ありませんか?

多くの方は「変な体勢で寝たからかな」「枕が合わなかったのかも」と思いがちですが、
実はその寝違え、寝方だけが原因ではないんです。

整骨院では、寝違えで来院される患者さんの多くが、
実際は“ある筋肉”の硬さや疲労によって首の可動域が制限されているケースがほとんど。

今回は、その原因となる筋肉と、根本的なケア方法について詳しくお話しします。


🔹寝違えとは?

寝違えとは、首まわりの筋肉や関節に急な炎症や筋緊張が起こった状態をいいます。
正式な医学的診断名ではなく、“急性の首の筋・筋膜性の炎症”という位置づけです。

朝起きたときに突然、

  • 首が動かない
  • 左右どちらかを向けない
  • 肩甲骨や背中まで痛む
    といった症状が出るのが特徴です。

🔹実は「寝方」だけが原因ではない!

もちろん、不自然な姿勢や合わない枕で寝ることが原因になることもあります。
しかし、実際には「寝ている間に悪化しただけ」で、
もともと首や肩の筋肉に負担がたまっていたことが多いのです。

つまり、“寝違えは前日までの積み重ね”で起きることがほとんど。


🔹実は原因は“肩甲挙筋(けんこうきょきん)”かも

寝違えの患者さんの多くに見られるのが、
**肩甲挙筋(けんこうきょきん)**という筋肉の硬直です。

この筋肉は、首の骨(頚椎)から肩甲骨の上角に向かってついており、
“首を動かす”だけでなく、“肩甲骨を持ち上げる”役割もあります。

パソコン作業・スマホ姿勢・ストレスなどでこの筋肉が硬くなると、
ちょっとした寝返りや姿勢の変化でも引きつるような痛みを感じます。

その結果、朝起きた瞬間に「首が回らない!」という寝違え症状として現れるのです。


🔹他にも原因となる筋肉たち

寝違えに関わる筋肉は、肩甲挙筋以外にもあります。

◾ 胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)

首の前側から耳の下にかけて伸びる筋肉。
ストレスや食いしばり、睡眠中の姿勢でも緊張しやすく、首の回旋動作に影響します。

◾ 斜角筋(しゃかくきん)

首の横から鎖骨にかけて走る筋肉で、呼吸にも関与。
姿勢が悪い人や呼吸が浅い人では特に硬くなりやすい部分です。

◾ 僧帽筋(そうぼうきん)

首・肩・背中に広がる大きな筋肉。
長時間のデスクワークで縮こまると、血流が悪化し“寝違え予備軍”になります。


🔹なぜ筋肉が硬くなるのか?

① デスクワークやスマホによる“猫背姿勢”

頭が前に出る姿勢は、首〜肩の筋肉に常に負担をかけます。
1日数時間この姿勢が続くだけで、首まわりは“張りっぱなし状態”に。

② ストレス・緊張

精神的ストレスは、無意識に首や肩をすくめるような姿勢を作ります。
自律神経が乱れることで筋肉の緊張が抜けにくくなることもあります。

③ 睡眠の質の低下

眠りが浅い・寒さや冷房で体が冷えると、筋肉の柔軟性が落ち、
寝返り時に筋肉が引きつって痛みが出やすくなります。


🔹整骨院での寝違え施術

整骨院では、寝違えに対して「炎症を落ち着かせる」「筋緊張を緩和する」両面からアプローチします。

◾ 初期(痛みが強い時期)

  • 冷却(アイシング)で炎症を抑える
  • 首を無理に動かさず、安静を保つ
  • 炎症が落ち着くまで、軽めの調整施術を中心に行う

◾ 回復期(2〜3日後以降)

  • 肩甲挙筋・斜角筋・僧帽筋などを中心に筋肉の緊張を緩める
  • 胸郭や肩甲骨の可動域を広げて、再発を防止
  • 姿勢バランスを整えて首に負担がかかりにくい状態に導く

🔹鍼灸でのアプローチ

寝違えのような急な首の痛みにも、鍼灸施術は非常に有効です。

◾ 局所の筋肉をピンポイントで緩める

鍼は、手では届かない深い筋肉(深層筋)まで刺激を届けられます。
特に肩甲挙筋・斜角筋・僧帽筋などの“トリガーポイント”にアプローチすることで、
筋肉のこわばりを短時間で緩め、血流を改善します。

◾ 自律神経を整え、緊張をリセット

ストレスや冷えによる緊張は、自律神経の乱れが関係していることも。
鍼灸は副交感神経を優位にしてリラックスを促すため、再発しにくい体づくりにもつながります。


🔹自宅でできる寝違え予防ケア

① 肩甲骨まわしストレッチ

腕を大きく回して肩甲骨を動かすことで、首の負担を軽減。
1日5回×前後でOKです。

② 首を温める

お風呂で首の後ろを温める、蒸しタオルをあてるなどして血流を促進。

③ ストレッチより“深呼吸”

痛みがあるときに無理に首を伸ばすのは逆効果。
代わりに深呼吸で胸を開き、筋肉を“内側からゆるめる”ことが大切です。

④ 枕よりも“姿勢の見直し”

枕を変えても根本改善にならないことが多いです。
日中の姿勢(デスクワーク・スマホ姿勢)を整えることが、最大の予防になります。


🔹まとめ

寝違えは、「寝方が悪かった」のではなく、
日々の姿勢やストレスで首〜肩の筋肉が疲れていた結果です。

特に、肩甲挙筋や斜角筋などの深層筋が硬くなると、
たった一晩の寝返りで“炎症スイッチ”が入ってしまいます。

かみやま鍼灸整骨院でのケアでは、

  • 炎症を早く鎮める
  • 深層筋をゆるめる
  • 再発しにくい体づくりをサポート

首の可動域を広げつつ、日常生活から身体の負担が減るような施術をいたします。
結果的に、**「寝違えにくい+疲れにくい」**をつくることができます。

「また寝違えた…」と繰り返す前に、
日頃のケアと専門的な施術で、首から整えていきましょう。